休日の午後/番田 
 

午後、雨の通りをサイゼリアまで歩いた。サイゼリアに行くのは、何十年ぶりかのことだった。前に住んでいた街にはなかったし、その前に住んでいた街にも存在しなかった店だった。地元にはあったので、それ以来だったのかもしれない。僕の地元での最後の夜に見送ってくれた友達とそこで飯を食べた。あれは夏の日の夜、僕は、あまり、穏やかな心地ではなかった。すでに、思い出の品々を庭で燃していた。青春時代の中で残されたものといえば、学生の頃に立川で撮影した写真ぐらいのものだった。いくつかのモニュメントを、そこで撮影していた。よく晴れていた日だった。僕には仲の良い友人がいたわけでもなかったけれど、そこで撮った写真だけは、な
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