戦士エイソスとヤゴンの竜(二)/朧月夜
 
戦士エイソスは一人でヤゴンの竜の元へと向かった。
そこには、クシュリー・クリスティナとの盟約があったのである。
「もし、あなたがお一人でヤゴンの竜を倒すことがあれば、
 わたしはあたなに娶られましょう」と。

クシュリー・クリスティナは、エインスベルとは比べられない。
「わたしは、彼女を守ってみせるのだ」と、戦士エイソスは意気込んだ。
そこには、アイソニアの騎士への嫉妬も混じっていたことであろう。
しかし、嫉妬と純愛、そこにどれほどの違いがあろうか。

戦士エイソスは、クシュリー・クリスティナを守ろうとする心で一杯であった。
「人は、奴隷の身としてその一生を送るべきではないのだ」
戦士エイソスには、彼なりの信念と自負ともあったのである。

「ヤゴンの竜よ、お前はわたしの贄となれ。すなわち、
 この世でこの身を活かす糧となるのだ」戦士エイソスは、
戦士たちいずれにも劣らぬ、気概を身に付けてヤゴンの竜と戦おうとしていた。
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