詩の日めくり 二〇一九年六月一日─三十一日/田中宏輔
行かなくても良いと言われたのだけど、知ってる先生の声で、「死ね」と言われると、生徒がばたりと倒れ、ぼくが部屋から出ていくと、廊下で、つぎつぎと生徒たちが倒れて行って、ぼくは、ああ、これは、栄養たっぷりしたぼくたちを食べるつもりなんだなって思ったところで目が覚めた。さいしょのシーンは、学校が移って間もなくで、ぼくは何人かの知ってる先生たちと図書館にいた。ぼくは真っ赤な装丁のデュラスの本を借りた。タイトルはなく、まだページもめくっていなかったのだけれど、ほかの先生も借りに行かれて、それは薄い茶色の装丁の本だった。埃がするので見たら、窓のところで工事をしているひとたちがいて、こりゃたまらん、と思って出て
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