廃苑/あらい
眼裏《まなうら》に海が見える。
幾何学模様の吹雪に見合う、真近に終える風と泣く、
衣を剥かれた赤い花は頭を垂れおさまるように嘆息する。休日だけの魂は溢れては
遠のく人が往く 交差点の中央で 永遠に立ち尽くし転げたように唄い出す
ただの砂地にデザインされる、すれ違った賛美歌は幽かに群れをなし
流れ出したいくつかの未来と過去が倒錯している今にぶつかり 空間に満たし
ヒステリックにざわめいている。塗りつぶした絵画のように
リピートされた人生が血眼になり磨り減っていく
小さな僕を落としたまま 息を呑む刃に好奇心と舌先にのせたままで
君の唇が空虚に開いたときに、踊らされ
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