湖畔/ひねもす/西/AB(なかほど)
ふいに淋しく/なんて口にしながら/随分と
正体も無くして/やがて眠りにつく
ひとの子の様で/子猫の様で/寝息とその顔は
野に咲く花が/白い野の花が揺れていた畔と
蝋燭の記憶/人間の記憶
雲かかる/もうじき降りだす/傘はささずに
駆ける足下の野の花も/瑠璃色になる
ふいにさみしく
なんてくちにしながら
ずいぶんと
しょうたいもなくして
やがてねむりにつく
ひとのこのようで
こねこのようで
ねいきとそのかおは
のにさくはなが
しろいののはながゆれていたあぜと
ろうそくのきおく
にんげ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)