ことばの軽さ/青色銀河団
 

散文の中のたったひとつの言葉が
真夜中の舗道におちている




少女は水色にあこがれて
家出をしました




向日葵のことばについて研究中なのだが
どなたか向日葵和辞典をお持ちでないか




とんぼの遺書はどこにある
とんぼの遺書は風のなか




少女のはだかのことば
おおわたしのあたまは
少女のはだかのことばかり




せつないためいきはつきなさい
きっと気層の上のほうまでとどくから




ねむる赤ん坊の金色の羽
あなたは見えますか




みずのおとは
ははのことば




夜空を見上げると思い出す
うらぶれた空き家の
わたしのサイトを



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真夜中の舗道におちたことばは
風に吹かれて
どこかにいってしまった




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