ことばの軽さ/青色銀河団
1
散文の中のたったひとつの言葉が
真夜中の舗道におちている
2
少女は水色にあこがれて
家出をしました
3
向日葵のことばについて研究中なのだが
どなたか向日葵和辞典をお持ちでないか
4
とんぼの遺書はどこにある
とんぼの遺書は風のなか
5
少女のはだかのことば
おおわたしのあたまは
少女のはだかのことばかり
6
せつないためいきはつきなさい
きっと気層の上のほうまでとどくから
7
ねむる赤ん坊の金色の羽
あなたは見えますか
8
みずのおとは
ははのことば
9
夜空を見上げると思い出す
うらぶれた空き家の
わたしのサイトを
10
真夜中の舗道におちたことばは
風に吹かれて
どこかにいってしまった
戻る 編 削 Point(2)