空に湖のある/ふるる
った
僕は生まれてはじめて本当に焦って君を追い
本当に危なかったら全身で止めた
君が言っていた丘はここからは遠い
そこから見る夕焼けは君の言うとおり
この世の果てみたいにゆらめいて儚い
こんなふうに手紙を書くのは久しぶり
揺れる字の感じから感情が伝わると
自信のなさもばれてしまったり
再び会えた君はやっぱり楽しい人
意外な物の見方をして笑い声も変わりなく
僕の後悔を虹が消えるように払ってみせたりと
薔薇に興味はない君を引き留める重さはなく
小さな手と握手をかわしてまた別れる
もうすぐ雨が来るわと言われて上を向く
湖は変わらずに空にある
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