詩の日めくり 二〇一九年四月一日─三十一日/田中宏輔
何が人間に形式をもたらすのだろう?
あるいは、形式が人間を欲しているのか?
それなら昆虫でも形式をもたらしているではないか?
いや、形式は昆虫をも欲しているのではないか?
あの時々刻々形を変える雲でさえ、瞬間瞬間に形を形成しているのだ。
何ものかが万物に形式をもたらせているのであり
形式が万物を欲しているのである。
二〇一九年四月十二日 「海東セラさん」
海東セラさんから、個人誌『ピエ』vol.20 を送っていただいた。「デッドスペース」階段を主体に最初から最後まで語られていく詩。なにかについてコンを詰めて追及するということが、ぼくにはもはやできな
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