カオスの中のブレス、そして永遠のグルーブ/ホロウ・シカエルボク
 

狂気はずっと、咆哮を循環させる、それは海のように満ちていて、激しい雨のようにいらだっている、冷たいフローリングに、架空の血液が滴る音がする、白昼夢の中だけの失血死、蒼褪めた肌は寝不足のせいだけではないはずさ、眼球の裏側にだけ存在する痛み、アスピリンなんかきっとなんの役にも立たない、凝視の記憶がそこで凝固している、時の経過に抗うように、歪に、確実に…切れ切れの散文詩のような午後、頭蓋骨の中で蝙蝠のように跳弾する言葉たち、手際良く、しくじることなく縫い合わせなければ、きっとそこから戻って来ることは出来ない、なす術なく迷宮を彷徨うこととなるだろう、擦り切れた靴が少しずつ落としていく時間の欠片、足音は
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