稜線/山人
されていないスキー場のロッジ前に着いた。使われていないロッジには二メートルほどの雪が堆積し、リフト乗り場も雪で埋もれていた。一昨年、どこかの怪しそうな会社がスキー場営業を行うということで、各民宿に挨拶をしに来たことがあったが、まったくわかってないな、というのが第一印象だった。それでも百に一つくらいの期待はあったが、その業者が経営に携わることはなかった。このまま、廃スキー場としてどこかの動画のネタにでもなるのだろうか。
斜面の入り口にはおびただしい足跡とスノーシュー、スノーボード、スキーの跡が混在していた。滑り終え、にぎやかに会話をしたのだろう。やたらたくさん入り混じったそれらの痕跡はいかにも若
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