思い出のフラれ女/板谷みきょう
 
「今夜、付き合ってくれない?」

それ程 
親しい関係じゃ無かった
けれど
それが最初の切っ掛けだった

カウンターに両肘を着いて
トロンとした眼差しを向けて
グラスを傾けながら
ろれつが回らなくなってきて

「実はサ。アタシ、
昨日振られたんだよね。
アタシなりに尽くして来たし
彼とは、相性も良いと
思ってたのにサ。

…突然だヨ。

ねぇ。
ちゃんと聞いてるの?

イタヤ君が呑めない事位
アタシ知ってますぅ。

だぁからぁ。
アタシは、彼にィ
どうして振られたのヨ。

なんでだと思う?
ねぇ。

アタシって、
そんなにつまんな
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