詩の日めくり 二〇一九年三月一日─三十一日/田中宏輔
い作業員二人がいちゃついてた
一人の青年が、もう一人の青年の股間をこぶしで強くおした
「つぶれるやろう」
「つぶれたら、おれが嫁にもろたるやんけ」
イカチイ体格の、真っ黒に日焼けした男の子たち
二〇一九年三月十四日 「傘」
ふつう、一人でさす傘は一本である。
しかし、たくさんの人間で、一本の傘をさす場合もあれば
ただ一人の人間が、たくさんの傘をさす場合もあるかもしれない。
ただ一人の人間が無数の傘をさしている。
無数の人間が、ただ一本の傘をさしている。
うん?
もしかしたら、それが詩なんだろうか。
きょう、恋人に会ったら
ぼくは、
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