認識に関する三つ目の切片を囲う九つの蝋燭/
 
い詰められた時に備え鋭くあれ
その時がきたら、滑らかに頸を切り裂き
美しく脈動をえがけるように

   * * *

ノンフィクションの
いわゆる凶悪犯は私を嘲笑うように自由で
笑っちゃうほど不自由だ

わかるよ
その衝動、憎悪、苛立ち、愉悦、むなしさ
言葉にならない思いに至るまで
生きることを肯定しないまま過ごす日々の代謝産物も
そこに溺れるのに特別な理由も技術も要らないことも

※「わかる」という言葉は多くの場合
 「わかっているつもりである」という意味で使用されます。

   * * *

うすく、風が吹いている
敷居と床板の隙間

雪の少ない年越し
払う気にならない埃
払う気のない煩悩

――星が、きれいですね。

風が絶えるまで
淀みは平衡を保ち続けるだろう

   * * *

語られない常識
掴み損ねた本能

世界は私とその他で出来ている。
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