ノスタルジア/ひだかたけし
 
異郷の地に立って
根こそぎにされ 
もう何も残っていない
荒涼としたノスタルジア
魂の奥底から滲み出て
北の国より吹く風になびき
遥かコバルトの海底に沈む

日を追うごとに
紋様はこんがらがり
虚脱の具合を深めていく
あゝ俺は何を求めるのか
あゝ俺はまだ求めるのか
深まる謎が表層で渦を巻く
力無くして近付く者を
火炎の外へ吹き飛ばすため
深まる謎が、深まる謎が

静謐を醸し
宇宙の音色を
浮き彫りにして
今日も荒涼としたノスタルジアが
日々の突端に突き刺さる










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