Through the Past, Darkly/ホロウ・シカエルボク
視界の端に映る太陽の中心を逆十字に彫り上げて背徳の日陰の中に今日の悪魔が現れる、よう、惰眠は済んだかい、今日のお前は昨日のお前よりも確かかい、とからかってくる、俺は無視を決め込むがやつは満足しない、いつまでもくだらないことを言いながら付き纏ってくるので、俺もそろそろ面倒臭くなって、ラバーハンマーをそいつの脳天に振り下ろす、土がパンパンに詰まった土嚢が破裂するような音がして悪魔の頭部は四散する、悪魔殺し、悪魔殺し、と、残された身体にくっついてる両手が、まるで喋っているかのようにぱくぱくと動くと、実際にそんな声が聞こえてくる、なに、両手のギミックはやつの茶目っ気で、実際は手が喋ってるわけじゃない、
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