海底でみた風景/秋葉竹
 


うち捨てられた
むかしの白黒写真のように
たいせつなものを
なくしまてしまう心象風景
そこに欺瞞の余地などあろうはずもなく

時の狭間に揺蕩う
とても嫋やかな心象風景
たにんとじぶんとの距離だけ
届かない無表情を浮かべて笑っている
イヂワルなキツネのお面をはめてるみたい
手探りで進む暗闇の大広間のよう

くびり殺された
夢をみていたころの私には
むろん
その率直さゆえに
なんにもみえていなかったという
自己憐憫
おぞましい
つまびらかにする自己肯定
救う価値もない私にも
絶望は
ある


だれにも私の声など届かない
流れておくれ
流れ
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