魔導帝国アルスガルデ/朧月夜
ゴルドウィンは、エランドルの執着がどうしても理解できなかった。
ゴルドウィンは、エランドル・エゴリスに詰め寄った。
「なぜ、新しい世界を導いて行こうとしないのか。
お前にはその才覚も、カリスマもあるではないか……」
それに対して、エランドル・エゴリスは答えたと言われている。
「ゴルドウィン・アルゴよ、お前は間違っている。わたしは……」
その後の言葉は失われている。
だが、エランドル・エゴリスはたしかに世界一の魔導士だった。
エランドルと決別したゴルドウィン・アルゴは、
グリーリア人という亜人種を生み出し、
南半球に巨大な魔導帝国を作った。それがアルスガルデである。
その末裔の一つが、エインスベルの故郷でもあるファシブルの国である。
アルスガルデは約千年に渡って繁栄したが、
内部抗争によって滅んでしまった。今は、その遺跡だけが残っている。
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