ウィザムたち/朧月夜
 
「言語崩壊」から数百年の間、人々は絶望の淵に立たされていた。
そこで台頭してきたのが魔導士たち、すなわちウィザムである。
ウィザムたちのなかには、人の心を読める者たちが存在した。
そして、数百年の時間をかけて、ヨースマルテの言語を再構築していったのである。

あるウィザムたちは、その功績によって後の貴族らの始祖になった者もいる。
しかし、あるウィザムたちは、その魔導を悪しき方向に用いた。
様々な魔物たち、亜人種たちを作り出していったのである。
ドラゴンもオークも、ウィザムたちの一部が作りだしたものなのだ。

中でもとくに知られているのが、エランドル・エゴリスである。
エランドル・エゴリスは、「言語崩壊」の首謀者だったとも言われている。
そして、「言語崩壊」から三千年の時を経た今でも生きていると。

すべては、伝聞に過ぎないが、ウィザムたちはこの世界に様々な変化をもたらした。
その中には良きこともあり、悪しきこともあった。ウィザムたちは、
一部の人間たちの崇敬の対象になったが、彼らを恐れ、嫌悪する者たちも存在した。
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