帰っていく/
ひだかたけし
雨滴は絶えず穴穿ち
佇む神々の声は木霊して
わたしのひとりが
目覚めるとき
大地を覆う涙は枯れ
帰っていく
帰っていく
たましいのふるさとへ
ひとりにもどり
帰っていく
遠い夢見の彼方から
傾く午後の日差しに目覚め
隣で眠るあなたの横顔が
とてもいとおしく感じられた
その瞬間
わたしのたましいは愛に浸され
帰っていく
帰っていく
たましいのふるさとへ
ひとりにもどり
帰っていく
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