戦いの結末(一)/朧月夜
勇猛な戦いあって、ガイジェスの丘からはオークの軍団が駆逐された。
しかし、クールラントの王にはもう一つの悩みがあった。
それは、ラゴスの国との密約である。
「アイソニアの騎士、戦士エイソス、エインスベルの首を差し出す」というのがそれだ。
戦士エイソスは別として、
アイソニアの騎士やエインスベルは、レ・スペラスとの戦いにあっては英雄だった。
ディペルスの町人たちも、歓呼の声で彼らを迎えた。
その彼らを、簡単にラゴスの国に引き渡して良いものだろうか。
クールラントの王は、祭司クーラスに助言を求めた。
もちろん、祭司クーラスの答えは決まっていた。「三人の首を差し出しませ」と。
クールラントの王は、眉をひそめて、祭司クーラスに頭を振るしかなかった。
しかし、そこには別の道もあったのである。
クールラントの国王は三人の首を差し出す代わりに、
黒色槍兵団とエインスベルらとの決闘を持ちかけようとした。
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