ネフスキー通りで/Giovanni
 
でも深く青々としている
下を流れるフォンタンカ川は
瑠璃のように空を映し
その間に間に
モザイクの様に行き交う人々

もし空が本当に川に落ちたら
そして空が水に溶けてしまったら
一体何色になるんだろう?
千年経って観れば
思ってもみない色になるんだろうか?
そんなことを考えていた

気が付くと空に雲
地に雨
眠っていたかに見えた
ロシアの怒りの欠片が
僕を打った
どこまでも冷たく
どこまでも心地よく

ロシアの悲しみは
あえぎ行くものにとっての
一服の魔薬
凍てつくような気だるさに
埋もれてしまいたい

そうか
川の色は緑色だ
(2000.8)
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