「歌う鳥」と「歌う人」/ベンジャミン
 
遥か遠くの忘れられた森に、一羽の鳥が隠れるように棲んでいました。
どうして隠れるように棲んでいたのか・・・
実をいうと鳥は、みんなと同じように空を飛ぶことができなかったのです。
鳥はそのことがとても恥ずかしく、そしてそんな自分をとても嫌っていました。もしかしたらそれ以上に、自由に飛べる他の鳥たちを憎んでいたのかもしれません。
でも、そんなことは考えたくもなくて、鳥は隠れるようにして誰にも見つからない森の深く、いつも哀しく歌っていたのでした。

そんなある日、一人の旅人が森の近くを通りかかりました。
旅人はかすかに聞こえてくる歌声に気づき、そしてその声に導かれるように、森の奥深くへと吸
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