詩の日めくり 二〇一八年十三月一日─三十一日/田中宏輔
永遠への航海』という
とんでもないSFを読んでいたせいで、
こんな言葉遣いになったのだと思う。
専門の物理学者が叙述するブラックホール内での
人類を含める有機生命体とメカニックスとの死闘を描いたSF小説で
とんでもない風景描写の連続で
サイバー・パンクを読んでいるような気がした。
「はじめてきたときには、できた?」
「いえ、かえりました。」
「やっぱり、びっくりして?」
「ええ、抵抗感ありました。」
「そだよね。ぼくもはじめの3回ぐらい
なにもせんと帰ったもの。」
「自分の父親ぐらいの年齢のひとには
ちょっと。」
ぼくももう49歳で、
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