レ・スペラスとの戦い(五)/朧月夜
エインスベルは言った。「あなたたちがいれば、
オークの軍勢など簡単に蹴散らすことができるだろう」と。
その名に恥じず、黒色槍兵団は無双の活躍をした。
三万ほどのオークの軍勢は、一万五千までその数を減らした。
その戦いのさなか、黒色槍兵団の団長である、
ユディアス・ガーランドは言った。
「この戦いが終われば、お前たちの首をもらい受けることになっている」と。
エインスベルやアイソニアの騎士は、驚いた。
もちろん、二人はクールラントとラゴスの密約など知る由もなかった。
「それは、お互いの首を狙って矛を交えるということか?」と、
エインスベルは問う。もちろん、アイソニアの騎士にとっても寝耳に水のことだ。
「お前は、お前の国を守るために、その命を落とすのだ」
ユディアス・ガーランドは続ける――。
「わたしはいつか、カーガリンデの街を奪ってみせる」と。
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