星 座/
塔野夏子
時折
君の身体から星が発生した
君はいつもそれを
無造作に僕にくれた
――君は星が好きだから
そう云って微笑っていた
何故身体から星が発生するのか
君自身も知らなかった
――何故だろうね
そう云って微笑っていた
君がいなくなってしまうまで
僕はこれといって
何を返すことも
できなかったけれど
君からもらった星たちを
僕の宙にならべて星座をつくり
その星座の神話を
ただ 語りつづけている
戻る
編
削
Point
(19)