ルコに宛てて/茶殻
 
書棚の肥やしになっていた15年前の文庫の小説を
読み返して
僕は変わってしまったのか
正確に言うならば
僕は老いてしまった、これからも失くしてしまっていくのか
そうやって氷の気分になって

ああルコ 君は勝手に死んでしまった
べつに羨ましくはないけれど
今日も不安なんだろう僕はね
言葉にしてようやくもやに影が浮かぶ

ひとりぼっちの火をたばねて
でも大きな火になんてなれない
何かの事象について
そう喩えることができそうなのに
それはどの気持ちなんだろう

罪のひとつも持たないようでは
為政者に相応しくないのかもしれない
冷え込むプールに注ぐ日差し
なぜ晴れ
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