詩の日めくり 二〇一八年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
く同じ一つの光でできていた。
射精すると、チンポコをしまって、またふらふらと別の席に移って
ほかの男にしゃぶらせた。
ぼくたちの川のなかで、ぼくたちの夜に、ぼくたちの鳥が、
ぼくたちの水のなかに、ぼくたちのくちばしを突っ込んで
ぼくたちの餌になるぼくたちの魚を探していた。
だけど、もうぼくの目には見えない。
喜びと悲しみのほかには、なにも。
音には映像を膨らませる力がある。
映像もまた
喜びを膨らませる音楽を奏で
悲しみを膨らませる音楽を奏でていた。
ぼくは彼のことを愛していた。
ぼくは彼のことを愛していた。
悪いことに、ぼくはそのことに気が
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