窓霜/あらい
硝子に可視化された雫が遊泳した
しかし、
ときは後ずさり
物忘れに暖流を適し目撃する
ただれた味を占める、
もはや、薄暑
飲みつぶれるほどかき混ぜる。巌窟を潜る蛟
やはりいい加減な説明で、生贄に抱きつく
暁光を頂く台所の隅から匂い立つのは、まるで過去の産物
そこにはまたいつの日かあらためる 手足があり、
嫋やかな凪がいる。
山裾に降り注ぐ先入観を、日常の誤りを、
少し開かれた小窓が震えても
優美な落ち着きがあり、
見知らぬ未来に飛び込んでしまった
飛蚊症
弛緩する泥沼に架かる
それはわたしではなく、あなたの未熟児
山襞から吹き込む風は冷た
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