樹氷のシナプス、そして降り積もる囁き/ホロウ・シカエルボク
 
白紙で居ようとする紙になにかを書き込もうとすることなど不可能なのだ、彼らはその、真っ新な紙面だけを守って墓の下に潜るのだもの…ほんの少し冷え過ぎている指先を温めながら、次に脳膜を突き破って来る言葉のことを考えた、それは砂浜での作業と同じだろうか?答えなど出るわけもなかった、だってそこには答えがひとつしかないわけではないのだから…冷たさはいつでもなにか、意識や記憶の果てを思わせる、氷漬けの生きものが見る夢、一時停止をかけられた生命は永遠だろうか、それが生であれ死であれ…俺が言葉を身体から引き摺り出すのは、どこかでそんな夢を見たいと思っているからなのだろうか、俺はデジタル時計にくっついてる温度計に目を
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