聖夜に籠る(改訂)/ひだかたけし
とっくに
日が暮れてしまった
今、正に
俺はこの白い部屋で孤独を貪る
完璧な自由
ハ
完全な孤独
冷える今宵に
エアコン壊れ
ますます真っ白に
ナッテイク
行き場なし
自ら選んだ
地獄だ
絶望も希望もない
あっけらかん
とした
ジゴクだ
清々として
ゼイゼイとして
時刻は七時半を回る
昼間、
師走の街を
老婆が駆け抜けていった
ビーチサンダルに剥き出しの足
夏物のワンピースを着て
物凄いスピードで
駆け抜けていった
甲高い叫びを上げながら
老婆は寂しかったのだろう
籠る、
俺は徹底的に籠る
日本語を忘れてしまう迄に
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