ルクソスの反乱(二)/朧月夜
 
ルクソスの街の反徒たちは、オークの兵たちの支援を待っていた。
いつか、彼らが自分たちを助けに来ると。
しかし、レ・スペラスのオークの兵たちは、
わずか五十名ほどが送られてきたに過ぎない。

レ・スペラスの目論見は別のところにあったからだ。
ルクソスの街が反乱で混乱している間に、
彼らはカーガリンデの街に攻め込むつもりだった。
クールラントの宝石であり、心臓でもあるカーガリンデの街に。

しかし、その試みもエインスベルの手によって、未然に防がれた。
問題だったのは、平定しおえたルクソスの街の反徒たちを、
どう扱うかだった。彼らには、明確な指導者という者が存在しなかったのである。

ルクソスの街の反乱では、女・子供を含む二百名に死罪が与えられた。
それはクールラントの国力を削ぐのに十分なものであったが、
レ・スペラスの企みは成就されることなく、中途半端なものに終わった。
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