ルクソスの反乱(一)/朧月夜
クールラントの歴史のなかで、もっとも厄介だった出来事の一つが、
ルクソスの街の反乱である。
ルクソスの街の反徒たちは、オークの国レ・スペラスの後援を受けていた。
そして、自分たちこそがクールラントの正当な支配者であると宣言した。
ルクソスの街の反乱を平定するにあたっては、
千名の兵士たちが派遣された。そのなかにはもちろん、アイソニアの騎士も混じっていた。
そして、戦士エイソスと魔導士エインスベルも。
そのころ、エインスベルはすでに師オスファハンをも凌ぐ魔力を手にしていた。
ルクソスの街は、形勢が不利だと悟るや、籠城戦に移った。
ルクソスの街は、リーガンテの街と同じほどの高い城壁に囲まれていたのだ。
引き籠った者たちをそこから引き出すのは、容易なことではなかった。
アイソニアの騎士たちは、逡巡した。そして、エインスベルに助けを求めた。
エインスベルは空間を自在に操る魔術を知っていたからである。
ルクソスの街の城壁は、エンスベルの呪術によって無防備になものへと変えられた。
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