屍斑と聖盃/あらい
 
点いたり消えたり、漏れや落ちがある、ひのあかりで。はなが曲る

悪趣味な画伯の私室で待ち望んだ。煉瓦色の長靴に(かざる)
ごわついた作り笑いに、耳元で囁く。ほころびて(わらう)

棄てられたものに新しい命を吹き込む。恥も外聞もかなぐり捨てて。
はぐくみ
―― ゆがめられた縞模様、ピアニッシモの(風がおさまる)

案の定。

「レースのカーテンをまいて、天使にしようか」
声を振り絞る、屈折した葉先には皮肉っぽいだけの柔らかな光
ありふれた食材に手を付ける、床に埋め尽くされる、脱衣

傘を差しかけるどんぐりの時期

憚る譚。

チクタク ごねるだけ、ヴェルベッ
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