雪洞/あらい
 
いつも行くはずの近道は薄明を終えて神社の鳥居の脇を吹き抜ける
平坦な午後に並ぶ学生たちが少しのやすみを記憶するとき

みちゆきは確かに真新しいスーツを纏い 大きめの制服を着て 
まばゆいほどキイロイ廂をかぶって。交差点を塞いでいる 

皆同じ顔のへのへのもへじ

覚えきれないほど長たらしいタイトルをつけて 
人生を書き込まれたバッドエンド
どうせ死んじまうのに バイパスは渋滞していた

それでもまだ信号で止まったわたしを誘導するように、
ゆっくりと歩き出す、坂道を転がるような まあるい石ころは
背を押されて とまることをわすれてしまった

紛れもなく過去のわたしと 
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