image/damage/ただのみきや
 
綾とりに
    裾をたくし上げる
       変色した依り代の
   詳らかではない
  比喩の脂粉
    抽斗で泳ぐ
     緋鯉の口もと
       琥珀の声が
   辞書をくべる
    沈黙の絶叫よ
男に擬態した
  ひとつの物語
    菌糸が腹まで達し
     帽子は脱げなかった
  兎の 傷
   ももゐろの嗤い



                《2021年12月12日》    









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