下本/黒川排除 (oldsoup)
務は果たされず感触は結局権利を知らせた
だがその権利さえ心拍がかき乱した中に消えようとしていた
消える権利が消える中消えることさえ許されていないようだ
わたしは帰りたかった帰るべき場所に帰る方法も見えず
それどころか望むべき帰り方もありはしないし帰った所で
わたしを囲っていた全ての静物は数えられてしまっているし
自分で口を噤んでしまっていたので呼ぶべき名前も無い
静かな場所に踏むべき土も無く雲も雨も影も形も題名も無い
そう考えた時考えたわたしもとがってしまっていた
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