詩の日めくり 二〇一八年九月一日─三十一日/田中宏輔
 
けてあって、これ、ぼくがひとに譲ったやつだった。買い直し1400円ちょっと。なんだかなあ、笑。


二〇一八年九月三十日 「箴言」


表現において、個人の死は個性の死ではない。個性の死が個人の死である。


二〇一八年九月三十一日 「人生」


 ぼくは愚かだった。いまでも愚かで浅ましい人間だ。しかし、ときに
は、いや、まれには、それは一瞬に過ぎなかったかもしれないが、ぼく
は、やさしい気持ちでひとに接したことがあるのだ。ぼくのためにでは
なく。そんな一瞬でもないようなら、たとえどれほど物質的に恵まれて
いても、とことんみじめな人生なのではなかろうか?


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