パンドラの筆跡/あらい
 
件の集合体の記憶が 藻が映えた時間軸に 絡まるは
  水母たちの引き算の都市。天の川を密かに
    その箱に透いたから 残照が酷く歯がゆく囁く

言伝の檸檬紅茶が 暈を増やす痕を滲ませている

  性別不詳の夜半
  血縁者の牢獄、
  土手に填める桜はまた 希望だった

若草色のフェルトペンがぼやぼや
 停止した白血球数の数だけ終の住処を建てる
 朧
 月は
  ?に被弾した魂を籠めて

 染み付いた遺伝子の徘徊 
  瞼の裏を破った時に来世にすげかえる
   ゴツゴツしたフシクレの展につらを咲かせるもの

       藁半紙なんて珍しいかぎりの 我ら
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