写真/ふるる
 
コインランドリーの特徴的な匂いが彼の持ち味。
君は綺麗だとは言うものの斜め後方から。
日曜日の午後はいつも小雨の降る街で手を繋ぐの。
そんな決まった天候のある街などないと言う常識人。
あの人は知らないだろうが日曜の午後は感光しがちで孤独のあまり街は泣いてしまう。
写真家である彼の匂いは現像液だったのかもしれない。
現像液に次第に浮かび上がる私の裸体は綺麗だろうか。
彼はそんなにまで背が高く抱きしめあうと無防備に抱き上げられる。
わたしのかかとが果てしなく落ちてゆく。
あなたの心はあなたのもの。
愛してるという簡素な言葉には一瞬の真実くらいは多分ある。
感情が写ってしまう白い写真と同じように。







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