雲の切れ間から愛を掬ぶ/かんな
が見た風景は
途方もない絶望が
浮かんだ空で沈んだ海だった
ひとりでは生きられない
なんて気づきたくないんだよ
気づいたら誰か助けてって
沈んでいく夕日に向かって
私は泣き叫んで
掴んだ砂を投げつけなきゃいけない
手をつないで
手をつないだら離さないで
君と一緒に生きたいと願ったときに
帰りたくなったんだ
帰りたくなって
帰る場所がないことに気づいて
私はせいいっぱいに泣いた
愛に気づいて
愛に傷ついて傷つき過ぎた日々に
叶わない夢に、そして母に
その愛に、さよならを言うよ
今、そのままの苦しみを
抱きしめてその痛みに耐えながら
私は愛を掬んで
私の幸せを願うよ
戻る 編 削 Point(2)