詩の日めくり 二〇一八年六月一日─三十一日/田中宏輔
の変わった構造で、おもしろいものだった。書くということに集中されていることがわかる結構だった。うらやましいとも思った。
二〇一八年六月六日 「断章」
いまだにみんながきみの愛について語ることをしないのは、いったいどうしたことなのだろう。
(リルケ『マルテの手記』高安国世訳)
二〇一八年六月七日 「断章」
誰もが持っていることさえ拒むような考えを暴き出すのが詩人の務めだ
(ダン・シモンズ『大いなる恋人』嶋田洋一訳)
しかし、だれが彼を才能のゆえに覚えていることができよう?
(ノーマン・メイラー『鹿の園』第四部・18、山西英一訳)
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