初冬の朝/山人
っていた。初仏という事もあり、何かとあたふた過ごした。その後、しばらく忌引き休みが続き、一週間後勤務復帰。そして、十月後半に集中した家業を連続でこなした。
今年最後の現場に入ったのは、十一月八日だった。週末は亡き母の長年溜め込んだ大型ごみなどを処理したり、好天にもかかわらず雑用に終始した。
十一月十五日、私含め四名は山林に散らばり、雪降り前に現場を終わらせようと持ち場に着き、それぞれが刈り払い機を作動させ始めていた。当日の朝は七時前から事業所に出向き、入念に用具を整えたので、不安などあろうはずもなかった。
作業開始から、三十分後、私の刈払い機で伐った木片が、なにかの拍子で私の眼球めがけ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)