詩の日めくり 二〇一八年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
、『Rurikarakusa』8号を送っていただいた。草野理恵子さんの作品、「蹉跌海岸」と「作品」の2篇に共通する自他の同化に着目した。「蹉跌海岸」では、作者と作品の登場人物との同化。「作品」では、作品の素材との同化。こういった同化は、書く人間には逃れられないものだろう。


二〇一八年五月二十八日 「フアン・ルルフォ」


 フアン・ルルフォの短篇集『燃える平原』いまタイトル作品を読んでいるところ。本としては、5分の2くらいのところかな。120ページ。暴力的なシーンが出てくるが、いまはもう暴力的なシーンのない小説がめずらしいくらいかな。いや、ボリス・ヴィアンの『日々の泡』とか、暴力
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