詩の日めくり 二〇一八年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
求めることはやめてほしいってことでもあるのだけれど。とはいっても、ジェイムズ・メリルの『ミラベルの数の書』のように、言葉に霊性がある場合があって、ぼくの希求も破綻しているのだけれど。

『ウンガレッティ全詩集』を読み終わった。引用を含めて、膨大なメモは、のちにルーズリーフに書くとして、つぎには、『クァジーモド全詩集』を読もう。ああ、もう日知庵に行く時間だ。きょう、思いついた詩句を書いて出かけよう。


ノブユキ。きみは二十歳だった。
いや二十一歳だった。
ぼくは二十七歳か、二十八歳だった。
きみは、たくみに罠を仕掛けた。
ぼくはいま五十七歳だけれど
いまだに、きみの罠から逃れら
[次のページ]
戻る   Point(13)