記憶の粒 /
ハァモニィベル
〈世界地図〉を熱心に観ていたあの猫はもうここに居ない
遅れていることを、怒っていたのか 祈っていることを、笑っていたのか
空を買いたいと、樹木たちが 雲に必死で持ちかけている
そんな秋が暖かく充満したら (畝(うね)りにも似た)
涙の音の 渇くような音符をたどって
融けた記憶は (素直なほど)
滴りながら墜ちていく
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