KAGEROU/あらい
 
太陽が真上にきた、真
         昼の。またたき。
           幻みたいな ものたち、
きっともう燃え尽きてしまったあとの、私の影。

                体内に宿る。
  格子模様の乳白硝子、空の小瓶。

だれかの骨片が流れる、      異国の地
時代錯誤に残された。      竹林の迷路 
                砂漠の足跡 
海と波打ち際の間で、惹かれていく。だれでも。

    いまだ煮え滾るほどあつい、
火星のひかりと 三日月にやられていたような、
きみにも 呪いをかけそこねた。

        さみしい、シンコペ
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