迷宮(祈り)/useless
 

もともと一人でいるのが好きな僕としては
また職場を変えて
すべてのにんげんかんけいをりせっとして。

彼女の手が伸びて、僕を引き抜く
こっちよ
引かれるまま、力強い声に従い
迷宮が、裏返る。

階段を降りて、走って、降りて、また降りて、上って、上った?
気がつくと虎の剥製がある寂れたロビーで、
現当主が競馬ですったという噂の通りの、ただの荒れて古びた宿で
黄色い蛍光灯に照らされた僕たち二人以外の気配はなく、
いや、三人
三人で生きる覚悟を決めて。

テレビからアナウンサーが
私を直視して
邪悪な笑みを浮かべたアナウンサーが
お前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前がお前が。

そうして。

***

そう、お父さんにあったの
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