ぜんまい式/
自由美学
せばまり始めたことも知らないで
倍速の万華鏡をのぞいていた
若さは切なく
彼の耳になってから
草木はみるみる伸び
鳥は快活に舞っていた
従順な後頭部でチャイムを聞くと
猫が愛してくれと膝元で朽ちる
逆立ちのこめかみに巻き鍵を差し
真っ白になった頃
誰の首を締め上げにいこうか
木枯らしで万華鏡が傾くと
空からばらばらと蛆が降ってくる
雪ならばよかったけど
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