知らずにもとめて/
ただのみきや
面をしっかり睨みつつ
横へ横へと身をかわし続けるって寸法さ
混濁愛
詩は誰かの切り刻んだ心
言葉として遺棄された死体
別の誰かが反魂術を試みる
そうしてどこか自分似の
ゾンビを愛でて悦に入る
すべては
空を斑にうめ尽くす暗い雲の隙間から
かすかに金粉を含んだ冷たい青が沁みて来る
この両眼――縫合されることのない太古の傷へ
あるいはここから生まれたか すべて
見上げるしかない無言の傷口から
《2021年10月31日》
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